省力化機械とは?メリットや開発の流れなど、基礎知識を解説!

 省力化機械とは文字通り、人の力を省かせる(負担を減らす)機械のことで、簡単に言うと手作業を機械に任せて、人の労力を軽減し、自動化する機械のことです。省人化機械とも言えます。近年では、FA(ファクトリーオートメーション)に関する技術の進歩は目まぐるしく、工場の完全自動化など、かなり先進的な話を耳にすることも増えましたが、その主語は日本をけん引する大手企業がメインで、特に中小製造業においては自分事と捉えられない事業者も少なくないのではないでしょうか。

しかし、それでは損をしているかもしれません。企業の規模には関わらず、生産現場には機械への置き換えが可能な作業は必ず存在し、コストダウンや製造業共通の課題である人手不足まで解決できるチャンスを逃している場合が多いです。また、大規模な自動化が絶対ではありません。一部の置き換えであっても、大きな効果を生み出すケースも多く存在します。

 この記事では、省力化機械の設計・製造の実績を多数保有する弊社(株式会社大塚製作所)が省力化機械の導入のメリットや、外注した場合の流れなどの基礎知識に関して、製作事例も交えてご紹介いたします。

省力化機械の定義


まずはあらためて、省力化機械に関して説明したいと思います。

「省力化機械」とは、置き換え可能な手作業をこなす機械のことで、人の労力を軽減し、作業の自動化を実現します。身近なところでは、洗濯機なども省力化機械の一つと言えます。名称・呼称については、同様の意味を持つ「省人化機械」や、「専用機」、「自動機」と言った呼ばれ方をする場合もあります。

製造業においては、生産現場において人手で行ってきた単純な作業や人手では難しい作業を置き換える機械と認識されている場合が多いです。日本では、高度経済成長期(1950年代後半から1960年代)に特に自動車産業を中心に大量生産方式が導入され始めました。大量生産方式の核心にあると言えるトヨタ生産方式では、カイゼンの概念に基づき、従業員が日常的かつ継続的に作業プロセスの改善に取り組むことで、品質と生産性の向上を目指します。当時の生産ライン上で行われる作業の中には、人手作業の中にも繰り返し作業や重労働が多く含まれ、生産性の低下を招いていましたが、この作業を機械に担わせるために多くの省力化機械が開発、技術が発展し、人間はより複雑な作業や品質管理など付加価値の高い仕事に集中できるようになりました。省力化機械の技術の発展に関しては、今もなお続いており、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)の技術の発展に応じて、製造業はもちろんのこと、農業、医療、サービス業など幅広い分野での労働生産性の向上に貢献しています。

省力化機械の開発、製造には相応のコストが必要となります。省力化機械に汎用性を持たせることができればベストですが、多くの場合専用性が高くなるため、費用対効果を考えると、大量生産・多ロット生産が求められる作業/工程の省力化を図ることがベストと言えます。

省力化機械を導入するメリット

省力化機械を導入した場合のメリットは以下のようなものが挙げられます。

1.労働生産性の向上

省力化機械の導入の最大のメリットは労働生産性の向上であると言えます。
特に、繰り返し作業など人手で行うには非効率な作業を置き換える場合、元々担当してもらっていた従業員により付加価値が高い仕事に就いてもらうことが可能となります。
また、もちろん省力化機械は生産活動における生産性の向上も同時に実現します。人間を超える速度かつ、高いパフォーマンスでの生産を可能とするため、製造プロセス全体の時間が短縮されます。また、機械は24時間体制での稼働も可能であるため、工場の形態にもよりますが、夜間に生産を行わせることで生産量を上げることも可能です。

2.品質の均一化および向上

作業を機械に置き換えることで、製品の品質の均一化と向上が狙えることも省力化機械導入の大きなメリットです。
機械は人間と異なり、疲労や注意力の散漫などによるパフォーマンスの低下は無く、一貫した品質で作業を行うことができます。これにより、不良品の削減や生産スピードの改善が狙え、製品の全体的な品質が向上します。安定して高い品質の製品の提供が可能となるため、顧客満足度も上がり、リピート受注や企業の信頼性の向上にもつながります。

3.労働・生産コストの削減

省力化機械の導入は労働コスト(人件費)、生産コストの削減にも寄与します。
先述した通り、自動化を可能とする機械・ロボットは人手作業と比べると迅速かつ継続的な作業が可能であるため、必要な労働者数を削減することができ、場合によっては人員削減を合わせて行うことで、人件費を抑えることに貢献します。
また、生産効率が向上するため、生産コストの削減にも大きく貢献します。製品の生産時間の短縮による生産能力の増大により、量産性を強め、低コストで市場に提供することが可能となります。また、省力化機械により均一で継続的な生産が可能となるため、在庫管理が容易になります。市場の需要変動に応じた調整を行うことで在庫コストの削減や、顧客の要望に迅速に対応可能になるメリットがあります。また、省力化機械の導入/設計の際に、幅広いニーズを想定し、応用性を高めることは重要と言えます。

4.安全性の向上

製造業をはじめとする物理的な危険が多い環境では、省力化機械は安全性の向上に貢献します。
重量物の持ち運び、高温または有害な化学物質を扱う作業、粉塵や騒音が多い環境での作業など、人体に悪影響を及ぼす可能性がある作業を代行させることで、労働者の怪我や職業病のリスクを大幅に抑制できます。場合によっては、遠隔操作を可能にする機能を持たせることも有効です。このメリットにより、労働者の満足度の向上も図れる場合があります。

省力化機械の開発/導入までの流れ

省力化機械の導入のメリットはお伝えしましたが、専門性の高い工程などの自動化を考えている場合はオーダーメイドの機械の開発を要する場合もあり、省力化機械の外注から導入までの流れについて、どのように進められるのかわからない方も多いと思います。
ここでは、省力化機械の設計・製造プロセスについて弊社の例をご紹介いたします。

①打ち合わせ・仕様等ヒアリング

省力化機械の導入に関して、費用対効果や隠れたニーズ・活用方法の検討など、着手前の検討が非常に重要なプロセスとなります。そのため、自動化・省力化の対象工程の内容や売上見込み、利用環境や他の案件の状況など、詳細にお打ち合わせを行い、設計における要件を設定します。場合により、現場の視察にお伺いする場合もございます。お客様のご要望を基に、コスト低減や機能の拡張性の提案など、積極的に提案させて頂き、最適な省力化機械の製造に向けた検討を行います。

②お見積

お客様のご要望を満たす(提案内容を含む)内容でお見積書を発行いたします。納期に関しては機械の規模や部材の調達に関する状況によって変動することがございますが、設計費用、試作費、製作費、材料費等の内容を含みます。場合により、設計図の前段階となる構想図もお付けします。お見積り時での仕様変更や追加などの要望にも対応しております。

③設計

ご発注いただけましたら、弊社にて設計を行います。設計図や多くは電気設計も伴うため回路図、仕様書を作成し、ご確認頂きます。
場合によっては、このフェーズで最小構成での試作、プロトタイプの開発を行います。特に難しい機能を持たせる場合に行うことが多く、部分的に開発することで求める動作が可能か検証・テストを行います。
どちらも、お客様にご確認頂くことも重要であり、設計・試作の内容に関してお客様から頂いたフィードバックを受け、設計の見直しを行い、繰り返すことで製品の品質を高めます。
弊社は省力化機械の設計/製作に関して、特に製造業向けに多数実績を保有しており、豊富なノウハウを以てお客様に満足いただける充分な設計を実施いたします。

④製作・組立・検査

設計内容のご承認を頂けましたら、実際に省力化機械の製作に移ります。
機械・システムの規模や仕様変更に伴って要する部材の納期等に応じて変動しますが、省力化機械の製造に関しては、一か月~数か月の比較的長い日数を要する場合が多いです。
製造プロセスでは、部品加工や組み立て、電気配線、プログラミング等が含まれ、段階的に検査や機能試験を十分に行いながら製造を行います。
弊社は金属加工も行えるため、骨子部品の製造も含めて対応可能です。機能開発に複雑なプログラミング等要する場合にも協力会社とのネットワークを有しており、万全な体制にて対応が可能です。

④最終検査および立ち合い検査

省力化機械の製造、組み立てが完了したのち、仕様を全て満たしているか、動作不良が確認されないか等、最終検査を社内で先ず実施します。
その後、実際にお客様と一緒に立ち合い検査を行います。お客様に実際にご覧いただきながら、お客様のご要望を満たしているかご確認頂きます。

⑥納品とアフターサポート

立ち合い検査をクリアしたのち、機械をお客様のもとへ納品いたします。
精密機械となりますので運送には細心の注意を払っており、場合によっては設置と稼働を含めてサポートさせて頂くこともございます。
また、お客様の環境に最適な機械のチューニングや運用に向けたマニュアル整備やトレーニングの実施、また、長期的なメンテナンスやアップデートを含め、
アフターサポートの充実に弊社は十分に取り組んでおります。

省力化機械の導入・外注を行う際の注意点

省力化機械のメリットと導入の流れについて説明しましたが、ここでは、お客様の満足できる導入の実現に向けた注意点について、説明したいと思います。

・外注する業者の選定に注意が必要

省力化機械の開発・導入を検討する場合、外注先の業者の選定には注意が必要です。省力化機械の開発には、開発や設計、製造のスキルはもちろんですが、お客様の事業分野の専門知識も必要となる場合があります。また、基本的に業者も得意分野を持っていることが多いです。
したがって、満足いく機会の導入を実現するためには発注を検討している業者が、①自社の業界に近い実績が豊富であるか②自社が省力化したい内容に近い実績を有しているか、等の観点で、業者を選定することが重要です。

・お客様からの開発への積極的な関与が望ましい。

発注後では、お客様から積極的に関与頂くことも重要です。特に、仕様決定に関する検討・ヒアリングの段階で、詳細に要件定義ができていることがベストではありますが、お客様のご要望については、積極的に業者にフィードバックすることで、省力化機械の完成度を大きく高めることができます。予算との関係もありますので、金額が決定する前に満足いくまで、仕様に関するやり取りを行って頂きたいと考えます。また、開発プロセスの中でも、進捗の確認やテスト結果のレビューなど、フィードバックが行える回数を多く持つことで、期待と異なる結果を防ぐごとができます。

・サポートの充実性が重要

機械の定期的なメンテナンスが受けられるか、万が一の故障時の対応策など、長期的な運用を見据えたサポート体制を確認しておきましょう。

弊社の省力化機械の製作事例

弊社が設計/製作した省力化機械 サポート時の風景

弊社では、特定部品の穴あけ加工専用加工機械や専用検査装置、生産ラインでの搬送機械、特殊サーボプレス機械、NC旋盤への自動ワーク搬送脱着装置など、省力化機械の設計/製作の多数実績があります。ここでは、弊社の省力化機械の製作事例を紹介します。

1.ブッシュ圧入装置

用途ブッシュ部品の圧入
開発期間・納期の目安発注より約3ヶ月
特徴機械内部で圧入荷重を管理しており、自動で適切な荷重を調整し、圧入が可能

製造業のお客様向けのブッシュ圧入装置です。多ロットの部品製造をされている中で、ブレーキによる手動での圧入を行われており、生産プロセスにおけるボトルネックになっていたことから、自動で圧入が可能な本機を開発/納品いたしました。

精密部品であり、圧入荷重に細心の注意をはらって加工を行っていたことから、センサ・計器を組み合わせて、機械内部で圧入荷重を管理できるようフィードバック制御を行うよう設計しており、また、圧入部に関しても製品品質を保てるよう形状に工夫をしております。

弊社は治具の製造も得意としているため、本機用の治具も含めて製作を実施しており、弊社の強みを生かした製品となっております。

2.自動車部品メーカー向け エンジン部品組立自動化マシン

用途エンジン部品の組立(圧入)工程の自動化
開発期間・納期の目安発注より約3ヶ月
特徴多数センサを搭載し、フィードバック制御により製造時の不良率を大幅に低減

本製品は自動車部品メーカー様に納品いたしました、エンジン部品の組み立て(圧入加工)を自動で行える省力化機械となります。製造する部品には高品質が求められる一方、プレスブレーキでの手作業の工程が含まれた中で、生産性の向上も勿論ですが、何より品質の均一化と改善に対して、お客様は強いニーズを抱かれておりました。

そこで、ブッシュ圧入装置など知見を活かせる省力化機械の設計製造実績を多数保有する弊社にて、ノウハウを最大限に生かして開発した製品となります。本機により、人手での段取りや操作の回数を最小化した上で、さらに機械で補正することで不良率を大幅に削減しており、工数の削減も図れております。

弊社ではこのほかにも省力化機械の製作事例を多数有しており、お客様のニーズに合った事例もある場合がございますので、お気軽にお問い合わせください。

省力化機械とは? まとめ

本記事では、省力化機械について、導入のメリットや流れなど基礎知識について解説しました。

省力化機械は人手作業を機械で置き換え、生産性の改善や人員の配置転換・削減を図れることから、製造業共通の課題である人手不足への解答の一つにもなり得る機械であり、近年IoT・センシングや通信技術も発達していることから、あらゆる場面の省力化・省人化が図れる時代になっております。

弊社(株式会社大塚製作所)は、省力化機械の設計/製作に関して多数の実績を有しており、専門技術者も複数名在籍、豊富な経験を活かして設計提案から承ることが可能です。
また、納品後のトラブル対応や運用に向けた技術資料の整備・トレーニングの実施など、サポートサービスの充実を心がけており、お客様に高い評価を頂いております。
省力化機械の導入を考えているけど効果があるだろうか?、この作業が手動で人と時間がかかっているけど改善できないか?など、お困りごとの段階からお答えいたしますので、まずはお気軽に弊社にご相談ください。

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